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自覚(じかく)

自分自身のあり方を反省し、自分が何であるかを明瞭(めいりょう)に意識にもたらすこと。自己意識、自己認識、自己反省などとほぼ同義であるが、「自覚」には仏教用語の転用からくる独特のニュアンスが付きまとう。ソクラテスが古代ギリシアの格言「汝(なんじ)自身を知れ」を自己の課題としたように、自覚は哲学にとって船出でもあり夢でもあった。しかし自覚とは、自分が自分を知ることである以上、知る自分と知られる自分とは、区別されねばならないと同場合に、同一の自分でもあり継続しねばならない。ここに、自己の分裂と統一という反省にまつわるパラドックスが生ずる。

わが国では西田幾多郎(きたろう)が「自覚の立場」を提唱して、この困難に挑んだ。彼によれば、主客未分の知るものと知られるものとが一つである直観的意識と、それを世間側から見晴らしる反省的意識とが内的に結合され、統一されたコンディション、それが自覚の立場にほかならない。


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