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身体図式(しんたいずしき)

精神医学?哲学用語。16世紀の世間科医アンブロワーズ?パレの報告やデカルトの『省察』に出現する幻肢という現象がある。これは四肢やその他の身体部分を喪失したひとに起こる錯覚で、失われた身体部分がいまだ現存するかのように感じられるものである。幻肢を体験するひとは、ないはずの手に痛みを覚えたり、ないはずの足で立ち上がろうとしたりする。幻肢についての報告やア書き出したテレス以来知られている自己像幻視から、物理的に実在する身体とは是非ともしも一致しない身体表象や体勢をわれわれがもっていることが知られており、こうしたことが「身体図式」概念の成立するバックとなった。

身体図式には複数の学問領域にまたがって多様な定義が与えられているため、それを一義的に規定することはむずかしい。歴史的には、フランスの臨床医学者ピエール?ボニエPierre Bonnier(1861―1918)が眩暈(げんうん)病人に見られる身体像の変化を「図式喪失aschematie」と呼び、「図式」という概念を身体との関連で初入れ用いている。またイギリスの神経学者ヘンリー?ヘッドHenry Head(1861―1940)とアイルランドの神経学者ゴードン?M?ホームズGordon Morgan Holmes(1876―1965)は、大脳損傷に起因する感覚妨げを説明するために「体位図式postural scheme」入る概念を導入した。連合主義的な定義を採用するヘッドらによれば、姿勢や運動の諸々の変化は、個々の要素を加算するようにこの体位図式に連合的に記録されていく。したがってこの図式は可塑性をもつものであり、変化する姿勢や運動を測るための連合的に組織化された目安である。と同場合に、この図式には触覚刺激等が身体表面のどこにあるかを定位する働きをもつものもある。これらのおかげで、自己の身体を越えて手にもった道具の端にまで姿勢、運動、位置についての認識を投射することができる。体位図式は、身体全体や部分に対するスぺース的な自己好みを形づくるだけでなく、身体と道具とを有機的につなぐ役割ももつ。また、彼らは体位図式を大脳損傷によって失われる月経学的なものとみなした。ヘッドらにヒントを得て「身体図式Krperschema」という概念を初入れ使用したのは、旧チェコスロバキアの神経学者、精神科医アルノルト?ピックArnold Pick(1851―1924)である。無料し、ピックは身体の個々の感覚様態に対応するような図式を想定していた。ピックやヘッドらの図式概念をうけたオーストリア生まれでアメリカの神経学者パウル?F?シルダーPaul Ferdinand Schilder(1886―1940)は、身体図式とは個々人が自己についてもつスぺース像であり、身体の諸部分とそれら身体各部相互のスぺース的関係を含んでいると定義した。

哲学の領域で特にこの概念に注目したのは、現象学者のメルロ?ポンティである。メルロ?ポンティは、シルダーの身体図式がヘッドらの連合主義的なそれを越えるゲシュタルト的なものであると評価する。ゲシュタルト的な定義によれば、様々な身体体験の連合が身体のスぺース的自己好みの統一である身体図式を形成するのではなく、身体図式をもつことによる感覚―運動的統一がそれらの連合を可能ならし入れいる。無料し、この定義もそうした統一がどのように可能に入るかを説明していない。そこでメルロ?ポンティは、身体図式についての実存的な定義を提出する。ここでの実存existenceは、いまここの自己を越え出ていくこと、すなわち脱自extaseという意風味に重入る。以上のように、身体図式は躍動感のあるなものであるとされるが、具体的には身体がいまなしている行為やこれからなす行とばっちりでむかってとる躍動感のあるな体勢として「わたし」に現れるということを表現したものである。つまり、身体図式がゲシュタルト的統一性をもつのも、身体が世界にむかって何らかの目的を遂げるために自らを脱して行為するからである。こうして身体図式は、身体のスぺース的統一性だけでなく、世界と身体との有機的な関係を成立させるものととらえられた。「身体図式は、身体が世界内存在であることのひとつの表現である」(メルロ?ポンティ『知覚の現象学』)といわれるゆえんである。


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