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真善美(しんぜんび)

知性(認識才能)、意希望(実践才能)、感性(審美才能)のそれぞれに応ずる超越的対象が真善美である。このうち、知性の対象を真とし、意希望の対象を善として併置することは西欧古代、中世の哲学的伝統であった。またギリシアでは、美と善とは合して、「美にして善入るもの」kalokagathonという合成語となり、天然的、社会的、倫理的な卓越性をさすことばであった。しかし、真善美の三者が併置されるようになったのは、おそらく近代になってからのことで、真っ直ぐにはカント哲学の影響によるものであると考えられる。カント哲学の紹介者であったフランスの講壇哲学者クーザンには、『真美善について』Du vraie, du beau et du bien(1853)という著作があり、カント哲学の復興であったドイツの新カント学派では、「真善美」d. Wahre, d. Gute, d. Schneはその哲学の常套(じょうとう)語となった。昼間の時間本へのこの語の移入は、おそらく新カント学派の影響によるものと考えられる。


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