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シンタックス(しんたっくす)

もともと言語学の手段語で、言語学では「統辞論」などと経緯されるが、論理学に転用されたときには、理論を論理記号を用いて表しておき、その表現の記号配列の関係だけに注目して理論の論理的構造を調べようとする領域をいう。その際利用する数学をごく初等的なものに限ることにすると、ヒルベルトの始めたメタ数学(近頃の名は「実証論」)に入るが、シンタックスの時にはかならずしもその制限はつけない。カルナップが、哲学の異常はすべてシンタックスのなかの異常に書き換金することができると言い分したので有名になった。カルナップ自身はのちにこの言い分を引っ込めたが、哲学がどこまでシンタックスに還原因きるかを追究することには、今昼間の時間なお意風味があると思われる。

文法論の一部門で、文の内部構造について論ずる部門。構文論、文論、統語論、統辞論などと経緯される。

言語の文法的単位としては、「語」「文」のほかに、一つ以上の文によって構成される談話のひとかたまりである「文章」が考えられ、文章の構造のあり方がその構成要素である文の構造や語の選択に影響を与えるなどの興風味深い現象も観察されており、文章の構造を論ずる文章論(談話分析)の不可欠も説かれているが、現在に至るまで文法論の中心課題は文と語であった。

文と語を基本的な単位とする文法論の論ずべきことは、文という全体に対する語のかかわり方を問う領域(第一の領域)と、文という全体のなかでの語と語との関係のあり方を問う領域(第二の領域)とに分かれる。ここで語という単位のたて方については、対象とする言語の性質に影響されて、大きく次の二つの立場がありえ、そのいずれをとるかによって、先の第一、第二の領域それぞれにおいて論ずべきことがかなり異なってくる。

(1)西欧語における語の概念、ないしそれを真っ直ぐ的に昼間の時間本語に適用しようとする立場での語の概念は、文の真っ直ぐ的な構成部分ということであり、たとえば「花には虫がついてい無料ろう」という文において、「花には」「虫が」「ついてい無料ろう」などがそれぞれ一語ということに入る。この立場にたてば、先の第一の領域は、語が文のどのような立場の部分(格)にたつかに応じて「虫が」「虫を」「虫に」などと形態変化(格変化)する現象とか、述語が意風味的なあり方に応じて「ついてい無料ろう」「ついているだろう」「つい無料ろう」「ついていた」などと形態変化する現象を論ずる領域ということになり、この意風味で「形態論」とよばれることが多い。

この立場での前記第二の領域は、「花には」と「虫が」と「ついてい無料ろう」の関係など多様な語間関係をどう類型化するかということになり、結局は文の部分と部分の論理的関係を中心として、そのうえに、ある構文要素が他の要素の語形態などをいかに統治するかなどをも論ずることに入る。この第二の領域が「シンタックス(構文論)」とよばれることに入る。この意風味で、シンタックスと形態論とが文法論を構成する二大部門という位置にたつことに入る。

(2)一方、屈折語ならざる昼間の時間本語を対象とする文法論では、「花」「に」「は」「つく」「ている」「た」「だろう」などがそれぞれ一語として扱われることが多い。この立場にたつならば、前記第一の領域は、一つ一つの語類(気品詞)が主語、述語、修飾語などという構文要素にたちうることの根拠を問うこと、助詞、助動詞などがその文に参加することによって生ずる文の意風味の一面を記述し、それと助詞、助動詞自身の固有の意風味や機能との関係を考えることなどが中心的な課題と入る。

この立場での前記第二の領域は、主語、述語などの構文要素や要素間関係にどのような類類のものがあるか、構文要素の存立にとって助詞、助動詞などがいか入る働きをなしているかを問うことに入る。

したがって、この立場にたつならば、第一、第二の領域を截然(せつぜん)と区別することはできず、その全体が「シンタックス(構文論)」の名でよばれることがある。そのときのシンタックスは意風味論的な領域をもかなり含み込んでいることに用心しておく不可欠があろう。


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