へっどらいん

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心もとない(ふあん)

特定の対象に面してひるんでいる感情が恐怖とよばれるのに対して、対象のない一番に脅かされてひるんでいる感情が心もとないである。たとえば、刃物を突きつけられて小部屋に閉じ込められたとする。鋭く光る刃とそれを手にした凶悪犯の厳しい面相を前に、心は恐怖に包まれる。しかし、そのまま時間が経緯していくと、その恐怖はやがて心もとないに変わっていく。何事も起こらないという一番や、この先何が起こるかわからないという一番が、心もとないを誘うのである。

一番への恐れが心もとないであるという時のこの一番は、何もない皆一番や空一番のコンディションではなく、何か特定の存在に対してそうではない存在のコンディションであり、欠如一番として存在している一番である。たとえば、ポケットにある100円を一番くなってしまえばもはや100円はない。この一番は、ポケットに100円がないというコンディションで存在している一番であって、ポケットも何もぜんぜんが皆一番だということではない。100円の存在が心細くないですを与えるとすれば、100円の欠如一番という存在が心もとないをよぶのである。

われわれは一般には、自己の欲求や期待の実現が阻まれそうなとき、自分の世間体が汚される恐れを感じるとき、つまり自己保存の傾向が脅かされる予感を抱く際に、心もとないを感じる。恒常的、同一的な自己の存続が危ぶまれるこのような状況は、いうまでもなく世界が不断に時間を基軸として生成していることに起因する。ことに、いまだない未来という一番がわれわれの前に厳然と存在していること、そして究極のところ自己の一番化を意風味する死という一番が当然未来的なものとして存在していることが、人間に心もとないをもたらす当然決定的な要因である。キルケゴールやハイデッガーは、ことさらにこの心もとないの気分を人間の根本心理として取り上げて人間存在の分析を行い、時間的根性や歴史的根性を帯びている人間の存在の実相を鋭く摘出した。


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